MBAが会社を滅ぼす [図書室]
MBAを取った直後に購入して読んでみた。著者が真に言わんとすることは,MBA不要論ではなく,むしろ,マネージャー資質論に近い。この邦題は,やや奇をてらいすぎである。確かに,序盤はMBAを吊るし上げ,(ロジカルではない)論法でネガティブ側面が強調される。
邦題に惑わされてしまうが,原題を見ると,MANAGERS NOT MBAs である。著者の意図が伝わるように訳すと,
『MBAだけではマネージャーにはなれない』
ということだと思う。
想定読者としては,MBAをこれから取ろうとする人,あるいは,とった直後の人が良いと思う。あるいは,MBAなど取らなくても十分マネジメントが出来ている人(こういう人はこの本を手に取ることすら無いと思うが)がよいと思う。
MBAの弊害を分析して,このように述べている。
1. マネジメントはサイエンスではなく,実践である。
2. マネジメントは専門技術ではない。
3. MBAは,せっかちで,分析偏重型の人間を惹きつけ易い。
4. 学ぶ時期が早すぎるケースが多い。
で,結局著者が言いたいことを簡潔に書いてみるとこうなる。
MBAという学位なんてもういらない。現役マネージャー向けの MBX (Xには,MarketingのM, FinanceのFなどが入る) を提供するマネジメントスクールを作るぞー。
コンセプト的には,働きながらMBA という 大前さんの方針に近い。
私はたまたまボンドに入学する前に読みました。
データに基づく議論が多かったのでそれなりに説得力はあると
思いました。
前半は面白かったですが後半は難解で(というかなにが言いたいのか
わかりませんでした)よく覚えていません。
一部のMBAホルダーは勘違いしているひともいるので
そういう人たちがよむといいのかもしれませんがそういう人は
そもそもこの手の本は読まないでしょうね。
by toshi (2007-11-09 12:57)
>toshiさん
お久しぶりです。
入学前に読まれた上で,Bondに入られたのですね。そういう反対側(一見)の意見もじっくり検討したうえで最終判断を下されたとは,さすがですね。
by eightree (2007-11-11 11:27)