ホリエモン

ライブドアがお茶の間を騒がせている．何が違法だったのか，各メディアとも分かりやすく説明することに苦労が見られる．今日の報道ステーションの説明はとても分かりやすかった．投資事業組合に1億円投資して，Ｍ＆Ａを行う．そのあとライブドアマーケティングが買収した企業の時価総額を評定し，例えば100億円とする．そして株を公開して市場に売って100億円のキャッシュを得る．そのお金はライブドアに還流し，ライブドアは結果的に1億円の投資で100億円のキャッシュを受け取ることになる．
投資事業組合は，ライブドア傘下ではないから，ライブドアグループは，1億円の投資で100億円のキャッシュを得た，つまり99億円の収益を上げたことになる．これは是か非か．．．

是か非かは司法の判断に任せるとして，大前研一が提唱するマルチプル経済とリアル経済の境界に大きな焦点が当たったことは事実である．実質の売上げ規模は数百億円なのに，時価総額は1兆円という楽天のように，ＩＴ企業は軒並み，マルチプル（つまり将来への期待で価値が何倍にも膨らむ）である．マルチプル企業がリアル企業を買収すると，買収された企業もマルチプルになる．そこで，時価総額が不連続に上昇することになる．これは別に不思議なことでもなんでもない．もしこれが駄目ということになると，マルチプルバブルは一気にしぼみ，株式市場は底が抜けてしまうだろう．政府は，小渕10年国債の書き換え（2008年）まで金利を上げずにいたいから，今回の事件でむしろ安心しているかもしれません．