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ヴァイオリンの名器を巡る話 [音楽]

ストラディバリウスの最高傑作のひとつが史上最高値か という記事が出ていた.その名も「ハンメル」.それまでの最高は,「レディー・テナント」.

というわけで,この2つどんな歴史を持っているのか.を調べてみました.

「ハンメル」
 ・1707年製作 アントニオ・ストラディバリの1700年~1720年作が出来が良いらしい.
 ・民間の収集家が所有し,NY在住のバイオリニスト,竹澤恭子が使っていた..
 
 ここで興味が竹澤恭子に..
 ・桐朋女子高校音楽科  高校生で日本音楽コンクール第1位
 ・ジュリアード音楽院に入学し,ドロシー・ディレイ,川崎雅夫に師事.
 ・第2回インディアナポリス国際バイオリンコンクールで圧倒的な優勝.
 ・日本音楽財団より貸与された1710年製作のストラディヴァリウス「カンポセリーチェ」を使用.
 
 どのくらい凄いのか分からないが,凄いのかな.ハンメル→カンポセリーチェに乗り換え?これも1710年作ではあるが.このおかげで,ハンメルが民間収集家の手に帰り,オークションにかけられた,のかもしれない.何故バイオリンが変わったのか,何故バイオリニストはバイオリンを変えるのか?はひとそれぞれ理由があるのでしょう.

日本音楽財団のサイトには,同財団が貸与しているヴァイオリンについてまとめてあった.
http://www.nmf.or.jp/instrument/instruments.html

 ところで,竹澤が師事したドロシー・ディレイ.どこかで聞いた名前である.

天才を育てる―名ヴァイオリン教師ドロシー・ディレイの素顔

天才を育てる―名ヴァイオリン教師ドロシー・ディレイの素顔

  • 作者: バーバラ・ローリー サンド
  • 出版社/メーカー: 音楽之友社
  • 発売日: 2001/11
  • メディア: 単行本

Amazonでは,イツァーク・パールマン、五嶋みどり、ギル・シャハムなど、数多くの天才ヴァイオリニストを世に送り出した名教師ドロシー・ディレイ..と紹介してある.伝説の人物らしい.


「レディ・テナント」

ニューヨークのオークションで約2億円で落札.落札者の情報は非公開.あまり情報がありません.こうなると英語サイトを見ないとだめかな..

http://www.kuhmann.com/yangliu/LadyTennant.htm

一応1件発見. Yang Liuが使用とある.使用していた? 今も使用中?これは誰かな?

 

 


ヴァイオリニストの集客力 [音楽]

当てはあった.たとえば,東京のサントリーホールで開いたコンサートで,チケットはいくらで設定されているかを見れば,人数(収容人数)×チケット価格で,集金力が分かると思ったのだが...挫折した.

まず,サントリーホールでやってない(インターネットでチケット価格が載っていない)人がいる.

次に,共演者や,オーケストラが違うので個人としての集金力とは言えない..

 

まぁそれでも,ということで,ざっとS席の値段設定で順序をつけてみる.

12000円コース 諏訪内晶子, 参考: 五嶋龍(東京国際フォーラム)

10000円コース 五嶋みどり

7000円コース 前橋汀子

6300円コース 高嶋ちさ子

5000円コース 庄司紗矢香,参考: 川井郁子(仙台)

4000円コース 千住真理子

 

まぁ人それぞれに工夫していて,一概にこの順序とは言えないだろう.川井郁子みたいに,ホテルのディナーショー形式で30000円近くとっているひともいる.個人的には,高嶋ちさ子を応援している.トークがとても面白い.べらんめえ口調と自分でも言っているが,確かにそんな感じ.きれいな女性の面をかぶったガキ大将に思えてくる.かなり男らしい(?)性格じゃないかな.

彼女のコンサートですばらしい点は,曲を弾く前にしゃべるエピソードだ.物語風に楽曲の背景を知った後で,音楽を聴くとすごくイメージしやすい.解説を聴くと作品に入り込みやすい素直さをもって臨めば,ミーハーな聴衆でも存分に楽しめる.

と思ったら,彼女が本を出した.たぶんコンサートの評判を聞きつけて誰かが提案したんじゃないだろうか?それとも彼女自身が調べていくうちに出版したくなったのだろうか.いずれにしても彼女の解説は面白い.彼女は頭の良いヴァイオリニストだと思う. 徹子の部屋に出演したときも,ヴァイオリンを弾かせてもらっていない.ヴァイオリンではなく,トークで勝負できる逸材である.

知識ゼロからのクラシック入門

知識ゼロからのクラシック入門

  • 作者: 高嶋 ちさ子
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2005/10
  • メディア: 単行本

 


ヴァイオリニストとヴァイオリン [音楽]

葉加瀬太郎のヴァイオリンサミット,チケット予約開始.というCMを聞いた.高嶋ちさ子やらいろいろ集めてやるらしい.Summitというのは,「頂上」という意味だぞ.本当にそう思って言ってる?とふと思った.別に彼らの音楽は大好きだから皮肉では無い.
そもそも,いろんな日本人ヴァイオリニストがいるけど,序列が分からない.特に女性の.
ヴァイオリニストは,技術だけじゃなく集客力も大事.高嶋ちさ子はトークで頑張ってる.でも純粋に技術は誰が一番上なんだろうか? 良く有名になると,ストラディバリウスを貸与されるという話を聞く.川畠さんも,TVで「ヴァイオリンは土地ころがしと一緒です.実績を増やせば,どんどん良いヴァイオリンに交換していけるんです.」と言っていた.というわけで,皆さんの愛用ヴァイオリンをグーグルで調べてみることにした.


まずは,五嶋みどり
グヮルネリ・デル・ジェス(1735)「エクス・ダヴィッド」→ストラディヴァリ(1722)「ジュピター」→グヮルネリ・デル・ジェス(1734)「エクス・フーベルマン」
フーベルマンは,林原共済会から終身貸与.最近は,ガルネリ・デル・ジェス(1734)「ギブソン」だとか.ということは2つもっているのか?と思ったが,どうもフーバーマンが愛用したこともあるというだけで,同一のものらしい.ギブソンというのも昔の使用者の名前なのかな.それにしてもヴァイオリンに名前がついているとは..ジュピターは,日本音楽財団に返却し,現在は樫本大進に貸与.


次は弟の五嶋龍(異父姉弟で,遺伝的にもこっちが本命か)
日本のNPO法人、イエローエンジェルが1715年にストラディバリが製作した伝説の名器「エクス・ピエール・ローデ」をわざわざ購入して無償で貸与だそうだ.


さて,次は...高嶋ちさ子
コンサートで,2億円のストラディバリウスを買ったと言っていた.5万円のヴァイオリンと引き比べコーナーなんていうのもやりながら,さりげなく値段も言ってる.TVで,個人からお金を借りて自分で購入したと言っていた.この個人というのは誰か? 高嶋の旦那は,ソニー元会長の盛田昭夫の一族だから,その辺から借りたのかと勝手に推測.本人も高嶋兄弟と親戚だから,そっち側かも.使用ヴァイオリンは,ストラディバリウス(1736年製、愛称はルーシー)


川井郁子
使用ヴァイオリンは,グァルネリ・デル・ジュス「ムンツ」(1737年製作 )を日本音楽財団から貸与されていたが,今は1675年、フランチェスコ・ルジェーリ製作のものを使用中。フランチェス・ルジェーリFranceso Rugieri(1629-98)はニコロ・アマティーの弟子でストラディバリウスと同じ工房の出身者である.こちらの方が年代が古いから,きっと良い物に違いない.大阪芸大所有品.ということはこちらも貸与かな.


諏訪内晶子
1990年『チャイコフスキー国際コンクール』において、18歳の若さで日本人初の優勝という快挙を成し遂げた.日本音楽財団からストラディバリウス「ドルフィン」を貸与.
ドルフィン(ストラディバリウス-1714年)は三大ストラディヴァリウスの一つ。20世紀ヴァイオリン界の神様ヤッシャ・ハイフェッツも愛用していたそうだ。
すごい.じゃあ三大ストラディヴァリウスの残りの2つはどこに?誰が?

ストラディバリウスの最上とされる三大ストラディバリウスは,ドルフィン(1714年),アラード(1715年),メサイア(1716年)。
アラードは現在、個人のコレクターが所有.メサイアは,イギリスのオックスフォードのアシュモリアン美術館に展示.ということは使用中はドルフィンだけだ.残りの2つは未来の天才待ちというところか.


庄司紗矢香
1999年のパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールにおいて、日本人として初めて優勝した。使用楽器は、日本音楽財団より貸与された1715年製ストラディヴァリウス「ヨアヒム」である。


千住真理子
パガニーニ国際コンクールで最年少入賞。使用ヴァイオリンは,「デュランティー」(ストラディバリウス)を貸与.ローマ法皇”クレメント14世”に捧げられ、法皇没後、その側近が引継ぐことに。その後18世紀、フランスの貴族の手に渡り、1921年スイスの富豪の元へ渡る。そして2002年、スイスの富豪が手放すことになり,何人かの候補者が選ばれ・・・何番手かの候補だった千住に渡った.300年間誰にも弾かれなかったデュランティ.


前橋汀子
17歳の時、レニングラード音楽院創立100周年記念の一環として日本人初の入学を許可される.使用ヴァイオリンは,グヮルネリ・デル・ジェス(1732) [Ex Reade]

 

要するに,分かったのは,諏訪内晶子が最も価値のあるヴァイオリンを使用しているということ.次に良いのは,川井郁子のものだろうか.何せ17世紀のヴァイオリンだから.でもデュランティもすごい歴史がある.もっと調べねば!

 


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