Big Mac Factor [Bond-BBT MBA]
以前ビッグマックの値段からデンマークとの為替レートはこうであるべきというのを書きました。
その後,もう少し対象を広げて調査をしていたものがまとまりましたので書いてみます。
Big Mac Index というものが下記サイトで発表されている。最新のものは Feb 1st, 2007。
http://www.economist.com/markets/indicators/displaystory.cfm?story_id=8649005
世界各国のBig Mac 単品の価格を,現地通貨で掲載されており,米国価格との比で,Implied PPP(Big Mac価格から考える購買力平価)が計算されている。その値と実際の為替レートを比較して,通貨がOver estimate なのか Under estimateなのかを示そうとするものである。
Big MacだけでPPPを計算することはばかげていると思う人もいるかもしれない。通常は,バスケットでもって比較しなければならないからだ。しかし,(McdonaldがどうやってBig Macの値段を決めているかは定かではないが),僕なら,まずはPPPをベースに価格を決めてみて,あとは現地での人気度(需要と供給)や,競合の有無などで微調整しようと考える。すると,Big Mac PriceとPPPとでは,高い相関を示す可能性は高い。この点については,どうせ誰かがやっていると思うが,果たして本当のところはどうなのかは,今後の課題として残しておくことにする。
さて,米国ドル基準だと良く分からないので,日本円基準で換算しなおしてみる。為替レートについては,上記Websiteにあるレートから単純に日本円と現地通貨とのレートに換算している。実際は,ドルを経由したりして手数料など高くなってしまうので,やや低めのレートになっているものもあるかもしれない。
なぜこんなものを計算したか。
簡単に言えば,日本人が海外旅行したときに,どの程度物価が高いと感じるかを調べるためである。為替レートとBig Mac Indexから計算した為替レートがずれているために,日本円で稼ぐ人特有の物価感というものが存在するのである。アメリカ人と日本人が同じ食べ物とをデンマークで食べた時に,高いという点では話題が一致するが,その程度については大きな開きがあることが証明出来る。
Big Mac 価格は,米国では,US$3.22,日本では280円である。従って,1US$ = 87円(=280/3.22)なら,日本人が米国でBig Macを食べた時に,日本で食べた時と同じ価値認識となる。ところが,実際の為替レートはそうはなっていない。1US$=120円の場合,120/87=1.39倍価値が上がったと日本人からは感じるのだ。
このようにして,日本人(厳密には日本円で稼ぐ人)から見た物価ずれ感を,世界各国に対して計算し,上位順に並べてみた。
この指数を,Big Mac Factor by Japanese とでも名づけるか。
これをみると, 北欧へ行った日本人が,あっちは物価が高い高いといっていたことが説明できる。コンビニで日本にいるときに1000円くらい使った感覚で買い物をすると,ノルウェーでは,2860円も使ってしまうことになる。今,海外旅行するならば,Big Mac Factor by Japaneseが1より小さい国に行かねばならない。最近北海道へオーストラリア人の観光客が増えているが,オーストラリア人にとってみれば,Big Mac Factorの小さい国へ行く方向になることが,動機を加速しているのかもしれない。
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