SSブログ

ヴァイオリニストとヴァイオリン [音楽]

葉加瀬太郎のヴァイオリンサミット,チケット予約開始.というCMを聞いた.高嶋ちさ子やらいろいろ集めてやるらしい.Summitというのは,「頂上」という意味だぞ.本当にそう思って言ってる?とふと思った.別に彼らの音楽は大好きだから皮肉では無い.
そもそも,いろんな日本人ヴァイオリニストがいるけど,序列が分からない.特に女性の.
ヴァイオリニストは,技術だけじゃなく集客力も大事.高嶋ちさ子はトークで頑張ってる.でも純粋に技術は誰が一番上なんだろうか? 良く有名になると,ストラディバリウスを貸与されるという話を聞く.川畠さんも,TVで「ヴァイオリンは土地ころがしと一緒です.実績を増やせば,どんどん良いヴァイオリンに交換していけるんです.」と言っていた.というわけで,皆さんの愛用ヴァイオリンをグーグルで調べてみることにした.


まずは,五嶋みどり
グヮルネリ・デル・ジェス(1735)「エクス・ダヴィッド」→ストラディヴァリ(1722)「ジュピター」→グヮルネリ・デル・ジェス(1734)「エクス・フーベルマン」
フーベルマンは,林原共済会から終身貸与.最近は,ガルネリ・デル・ジェス(1734)「ギブソン」だとか.ということは2つもっているのか?と思ったが,どうもフーバーマンが愛用したこともあるというだけで,同一のものらしい.ギブソンというのも昔の使用者の名前なのかな.それにしてもヴァイオリンに名前がついているとは..ジュピターは,日本音楽財団に返却し,現在は樫本大進に貸与.


次は弟の五嶋龍(異父姉弟で,遺伝的にもこっちが本命か)
日本のNPO法人、イエローエンジェルが1715年にストラディバリが製作した伝説の名器「エクス・ピエール・ローデ」をわざわざ購入して無償で貸与だそうだ.


さて,次は...高嶋ちさ子
コンサートで,2億円のストラディバリウスを買ったと言っていた.5万円のヴァイオリンと引き比べコーナーなんていうのもやりながら,さりげなく値段も言ってる.TVで,個人からお金を借りて自分で購入したと言っていた.この個人というのは誰か? 高嶋の旦那は,ソニー元会長の盛田昭夫の一族だから,その辺から借りたのかと勝手に推測.本人も高嶋兄弟と親戚だから,そっち側かも.使用ヴァイオリンは,ストラディバリウス(1736年製、愛称はルーシー)


川井郁子
使用ヴァイオリンは,グァルネリ・デル・ジュス「ムンツ」(1737年製作 )を日本音楽財団から貸与されていたが,今は1675年、フランチェスコ・ルジェーリ製作のものを使用中。フランチェス・ルジェーリFranceso Rugieri(1629-98)はニコロ・アマティーの弟子でストラディバリウスと同じ工房の出身者である.こちらの方が年代が古いから,きっと良い物に違いない.大阪芸大所有品.ということはこちらも貸与かな.


諏訪内晶子
1990年『チャイコフスキー国際コンクール』において、18歳の若さで日本人初の優勝という快挙を成し遂げた.日本音楽財団からストラディバリウス「ドルフィン」を貸与.
ドルフィン(ストラディバリウス-1714年)は三大ストラディヴァリウスの一つ。20世紀ヴァイオリン界の神様ヤッシャ・ハイフェッツも愛用していたそうだ。
すごい.じゃあ三大ストラディヴァリウスの残りの2つはどこに?誰が?

ストラディバリウスの最上とされる三大ストラディバリウスは,ドルフィン(1714年),アラード(1715年),メサイア(1716年)。
アラードは現在、個人のコレクターが所有.メサイアは,イギリスのオックスフォードのアシュモリアン美術館に展示.ということは使用中はドルフィンだけだ.残りの2つは未来の天才待ちというところか.


庄司紗矢香
1999年のパガニーニ国際ヴァイオリン・コンクールにおいて、日本人として初めて優勝した。使用楽器は、日本音楽財団より貸与された1715年製ストラディヴァリウス「ヨアヒム」である。


千住真理子
パガニーニ国際コンクールで最年少入賞。使用ヴァイオリンは,「デュランティー」(ストラディバリウス)を貸与.ローマ法皇”クレメント14世”に捧げられ、法皇没後、その側近が引継ぐことに。その後18世紀、フランスの貴族の手に渡り、1921年スイスの富豪の元へ渡る。そして2002年、スイスの富豪が手放すことになり,何人かの候補者が選ばれ・・・何番手かの候補だった千住に渡った.300年間誰にも弾かれなかったデュランティ.


前橋汀子
17歳の時、レニングラード音楽院創立100周年記念の一環として日本人初の入学を許可される.使用ヴァイオリンは,グヮルネリ・デル・ジェス(1732) [Ex Reade]

 

要するに,分かったのは,諏訪内晶子が最も価値のあるヴァイオリンを使用しているということ.次に良いのは,川井郁子のものだろうか.何せ17世紀のヴァイオリンだから.でもデュランティもすごい歴史がある.もっと調べねば!

 


nice!(3)  コメント(9)  トラックバック(0) 
共通テーマ:学問・資格(旧テーマ)

nice! 3

コメント 9

まみみ

初めまして。
凄いですねぇ~~。歴史を感じますね。
古い楽器は大事にする持ち主を選び、守ると聞いた事があります。
(ホンマか嘘か分かりませんが)
でも、一つ一つに名前がある事を考えるとそれもありなのかも?!
次回の集客力で比較も楽しみにしてます。
by まみみ (2005-12-01 07:44) 

こんにちは。諏訪内晶子の楽器ってすごかったんですね!
こうやって並べてみると、すごいですね~。
ほとんどの人は自分で買っていないのですね・・・(汗)
知りませんでした。。
五嶋龍の話もすごいなぁ。わざわざ買って貸与だなんて・・。

興味深く拝見いたしました。ありがとうございました。
by (2005-12-02 17:41) 

pvo

はじめまして。ヴァイオリンサミットですか。サミット、というからには、色々な顔ぶれをそろえて欲しいものです。受けるかどうかは別にして、勝井さんや横川さん、金子さんなどのエレクトリック勢も居て欲しいなとは思います。エレクトリックあるなら見に行ってみたいです。では。
by pvo (2005-12-08 21:11) 

岳夫

千住さんのヂュランディは貸与ではなく購入ですね。
経緯は母・文子さんの著作「千住家にストラディヴァリウスが来た日」
に書いてあります。
 購入価格は書いてありませんが、ネットでは4億円と言われています。資金は銀行から借りています。
by 岳夫 (2007-10-04 00:43) 

NO NAME

岳夫さん 教えて頂いてありがとうございます!! 
by NO NAME (2007-10-06 13:31) 

Tak

 こんなヤツらより凄いヴァイオリニストは山ほどいるし、そういう人に銘器が渡らないのはおかしいですね。

 日本で一番上手いのは、読響ソロ・コンサートマスターの藤原浜雄さんだと思います。ぜひ聴いてみてください。
by Tak (2007-12-03 02:09) 

daybyday

古ヴァイオリンの突拍子もない値段はバブル時代の日本が引き上げたせいのようにも思うのですが。古い「名器」だからといってそれほどに音質に違いはあるのでしょうか。ヴァイオリンには骨董趣味が入りすぎているようです。それを使用するヴァイオリニストの皆さんの愛着の問題は別として、プロのヴァイオリニストならどんな楽器を使ってもいい音をだしてもらいたいものです。なお、今春近郊のホールで奥山愛さんのコンサートがあるようですが、ウエッブからの情報では彼女のヴァイオリンはカミリア・カミリー作となっています。私には初耳の名前です。このあたり、詳しい情報をお持ちの方はご教示ください。
by daybyday (2008-01-09 01:04) 

NO NAME

グヮルネリ・デル・ジェスは今日出回っているストラディバリより圧倒的に絶対数が少ないので、その分価値が高いのでは?
by NO NAME (2008-02-04 00:59) 

Kuwabara

この他に下記の演奏者が所有しています。
ただし、貸与期間が過ぎた物もあるかもしれません。

浦川宣也 1713 Strad lady Lay
潮田益子 1690 Strad of Cremona

天満敦子 晩年のStrad
漆原啓子 ????  Strad
渡辺玲子 1700 Strad Dragonetti  日本音楽財団より貸与
漆原朝子 1756 Guadanini
竹沢恭子 1710 Strad Camposelice 財団より貸与
戸田弥生 1694 Strad Sighichelli  小野グループより貸与
       1740 Pietro Guarneri   小野製薬 より貸与
小野明子 1757 Guadanini Cremona 
       1772 Guadanini
樫本大進  1722 Strad Jupiter 財団より貸与
川久保賜紀 Strad Munz     財団より貸与
佐藤俊介  1725 Strad Wilhelmi 財団より貸与
神尾真由子 1727 Strad      サントリー より貸与
木嶋真優 ???? Strad Antonio
by Kuwabara (2008-12-07 20:17) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

頭痛薬ヴァイオリニストの集客力 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。